飼い馴らされた小鳥(草花と種子)
アトリエの真向かいに小鳥を飼い馴らしている一家が住んでおり、数年も観察し写生していた。その小鳥をモチーフにしているが、小鳥は作家自身を表している。紙片は人間の優れた研究や詩歌を表しており、その貴重な思惟が風などで簡単に飛ばされないように文鎮で押さえられている。草花や種子は観察から感知した画家の思索を表している。文鎮は、ひとつは18世紀のものでビール色、もうひとつは現代のもので濃青色の多角形をしており、古い時代と現代の形の違いも対比させている。また、作家自身を表す小鳥は現代の文鎮の上に止まっており、そこから真理を探究したいと願っている。
技法 | マニエル・ノワール |
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画寸 | 35.4 × 26.4 cm |
額寸 | 57.5 × 47.5 cm |
レゾネNo. | No,324 |
制作年 | 1962年 |
限定部数 | 70 |
サイン | 本人サイン |
在庫状況 | 売却済 |
長谷川潔について
大正・昭和期に活躍した日本の版画家。1918年(大正7年)にフランスへ渡り、様々な銅版画の技法を習熟。特にメゾチント(マニエール・ノワールとも)と呼ばれる古い版画技法を復活させ、独自の様式として確立させたことで有名。渡仏して以来、数々の勲章・賞を受けたが、一度も帰国せずにパリで没した。