麻田浩
パリを拠点に、幻想的な風景画を生み出した
1931年昭和6年 〜 1997年平成9年
日本画家、麻田辨自を父に、同じく日本画家、麻田鷹司を兄に持つ、美術家の一家に生まれた。
初期にはアンフォルメルに傾倒しましたが、1963年、初めてのヨーロッパ旅行にて古典絵画を再確認したことで、徐々に変化が表れます。1971年、39歳のとき再度渡欧。パリを拠点に、より幻想的な風景画を生み出し、新制作展や安井賞展などに出品し続けました。また、ヨーロッパ滞在期には版画制作にも力を入れ、カンヌ国際版画ビエンナーレではグランプリを獲得。フランス・ドイツ・ベルギーなどでも個展を開催しました。
1982年、50歳で帰国。京都に戻り、京都市立芸術大学西洋画科の教授を務めながら、水滴や羽根などの自然物を配した「原風景」とともに、「原都市」と名づけられた美しき廃墟空間を描き続けました。1995年には京都市文化功労者となり、同年に第13回宮本三郎記念賞を受賞するなど活躍を続けていましたが、1997年、65歳、京都のアトリエで自らその命を絶ちました。
- 性別
- 男性
- 出身地
- 京都
- 関係のある主な作家
- 麻田辨自(親)
- 麻田鷹司(兄弟)
年 | 主な出来事 |
---|---|
1931年昭和6年 |
京都に生まれる。 |
1954年昭和29年 |
新制作協会展に初入選、以降毎年出品。 |
1962年昭和37年 |
新制作協会展新作家賞受賞 |
1966年昭和41年 |
新制作協会展にて協会賞受賞。翌年、会員に推挙される。 |
1969年昭和44年 |
京展にて須田賞受賞。翌年にも万博賞受賞。 |
1971年昭和46年 |
二度目の渡欧。パリに住み、ジョニー・フリードランデルのもとで銅版画も始める。 |
1974年昭和49年 |
第6回カーニュ国際絵画フェスティバルにてプリ・ナショナル賞受賞(フランス)。 |
1975年昭和50年 |
第18 回安井賞展にて佳作賞受賞。 |
1976年昭和51年 |
第6回オステンド・ヨーロッパ絵画賞展にて第2位賞受賞(ベルギー)。 |
1977年昭和52年 |
第2回カンヌ国際版画芸術ビエンナーレにて銅版画部門第1位。 |
1978年昭和53年 |
第7回クラコー国際版画ビエンナーレにてメダーユ・ドヌール賞受賞。 |
1982年昭和57年 |
日本に帰国。京都に居を移す。 |
1983年昭和58年 |
サロン・ド・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザールにてプリ・アンリ・ファルマン受賞(パリ)。 |
1985年昭和60年 |
サロン・ド・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザールにて、プリ・アルフレッド・シスレーを受賞。 |
1995年平成7年 |
第13 回宮本三郎賞を受賞。京都府文化功労賞受賞。 京都市文化功労者賞受賞。 |
1997年平成9年 |
京都市龍安寺のアトリエで自ら命を絶つ。 |
2007年平成19年 |
「没後10年 麻田浩展」が京都国立近代美術館にて開催される。 |
2008年平成20年 |
「特別展示 麻田浩 展」が東京オペラシティアートギャラリーにて開催される。 |
2017年平成29年 |
9月28日、練馬区独立70周年記念展『没後20年 麻田浩展 ―静謐なる楽園の廃墟―』練馬区立美術館 |