静物画 仮装したる狐 (フィンランド童話)
2年前に制作した《狐と葡萄》と同じように、狐が仮装しているフィンランドの人形を手に入れて、フィンランド童話を連想して制作された作品。長谷川潔は青年時代に大森の住家の一隅に、先祖伝来の「白狐像」を祭る、ささやかな神社を建て、盛大な「稲荷祭り」を行ったこともあるくらい、狐には非常に関心を持っていた。 モデルに使った人形の実物にはとんがり帽子はなく、長谷川流にデザインされている。 また、曲線を描いて舞い落ちる木の葉は、どこか神秘的なリズムを感じさせ、教会などを配置することによって、童話的な世界観もだしている。
技法 | マニエル・ノワール |
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画寸 | 35.4 × 26.2 cm |
額寸 | 58.8 × 48.0 cm |
レゾネNo. | No.344 |
制作年 | 1965年 |
限定部数 | 60 |
サイン | 本人サイン |
在庫状況 | 売却済 |
長谷川潔について
大正・昭和期に活躍した日本の版画家。1918年(大正7年)にフランスへ渡り、様々な銅版画の技法を習熟。特にメゾチント(マニエール・ノワールとも)と呼ばれる古い版画技法を復活させ、独自の様式として確立させたことで有名。渡仏して以来、数々の勲章・賞を受けたが、一度も帰国せずにパリで没した。