ヴラマンクがオーヴェル=シュル=オワーズに新居を構え、セザニアン期から新たな画風へと移行し始めた1920年ごろの作品。 白と黒、明と暗の対比が強調され、みずみずしい花やつややかな花器が光を湛えるかのように描き出されている。 その一方、テーブルや布を用いた緊密な空間構成、規則的に付置された短い筆致には、いまだセザンヌの影響をうかがわせる。
技法 | 油彩 |
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画寸 | 65.0 × 55.0 cm |
額寸 | 91.2 × 80.0 cm |
制作年 | 1920年 |
鑑定書 |
ウィルデンシュタイン鑑定書 Wildenstein Plattner Institute により準備中のデジタルカタログレゾネに掲載予定 |
備考 |
展覧会歴:1925年4月21日~27日 三越本店 French Artist Works Exhibition 1925年5月8日~13日 三越大阪店巡回 1925年からの来歴あり |
在庫状況 | 売却済 |
モーリス・ド・ヴラマンクについて
パリに生まれる。両親とも音楽家。田園生活の中で見出した雪深い寒村の冬景色は、自らの性向に相応しい表現様式を確立させたヴラマンクにとって、内に秘めた孤独感や情念を表現する格好のモティーフとなった。音楽、スポーツのほか、小説や詩作を行い、絵画論もものする多才な画家であった。 独学で絵を学び、当初はゴッホの影響で独特な色彩感覚に、その後、セザンヌの影響を受け、暗い色調の風景画へと移る。 「本能こそ芸術の本質」と言って、自由で大胆な画風を作りだした。