爪びき
ほの暗い部屋で三味線を弾く女の肌はあまりに白く、妖艶な色香を携える。その身なりは座敷に上がった芸者のものとは違う。未だ現れぬ男を待っているのだろうか。はらりと垂れた一髪とその視線が儚さを掻き立てる.
技法 | 木版画 (複製版画) |
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画寸 | 37.0 × 45.0 cm |
額寸 | 60.0 × 67.0 cm |
限定部数 | 250 |
版元 | 永井画廊 |
在庫状況 | 売却済 |
伊東深水について
東京深川に生まれる。印刷所の活版工として働き、13歳の時に鏑木清方に師事し、早くから頭角を現す。以後、挿絵や版画に取り組み、若干17歳で文展に入選する。大正11年、平和記念東京博覧会で受賞後、官能的で甘美な美人画を生み出した。時代と風俗は変わっても美人へのあこがれは不変であるとの考えにたって,美女を描きつづけた。帝展や文展で活躍する一方、青衿会などの画会を結成。戦後は日展を舞台として美人画の道を歩み、堅実な表現力と優美な描写で不動の地位を築いた。