ラ・グリーユ







描かれているのは、パリ2区・モントルグイユ通りの一角にある『ラ・グリーユ』という名のレストランです。 シックな緑の外壁とミントグリーンのオーニングのコントラスト、奥行きのある構図の取り方などが目を惹きます。 荻須はこの店の佇まいが気に入ったのか、構図を変えて何度も作品を制作しました。 『ラ・グリーユ』は現在も同じ場所で営業を続けており、外装などは変化したものの、当時の面影を感じられます。
技法 | リトグラフ |
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画寸 | 57.3 × 48.0 cm |
レゾネNo. | No.65 |
制作年 | 1977年 |
限定部数 | 185 |
サイン | 本人サイン |
在庫状況 | 在庫あり |
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荻須高徳について
東京美術学校を卒業後、1927年フランスに渡り、美術学校の先輩であった佐伯祐三に導かれてパリの街角に画架を立てて仕事を始める。以来、生涯主にパリという都市にモティーフを求め続けることになる。だが、同じようにパリを描いたヴラマンク、ユトリロや佐伯とは異なり、荻須は情感、文学的香り、詩情を前面に押し出すことから離れて、パリを探索し、そこでその都度発見した街並や建造物のつくる構成、形、色、マティエールをおもしろさを自らの視覚でとらえて再構築し、それらを重厚、堅牢で時としてモニュメンタルな画風へ高めるという造形主義の姿勢をとった。この点で、荻須は、レンプラント、セザンヌなどのヨーロッパの画家達の築き上げてきた技法とその背後にある精神の伝統のひとつを消化しえた、数少ない日本人画家のひとりであった。